終わる世界と最後の歯車


 ベッドの中で目を覚ましたはずだった。
 心地よい眠りに身を任せていたのに、起き上がると肌に張り付く髪が鬱陶しい。ひんやりとした冷気に身体を包まれ、それで自分が裸であることを知った。
「おはよう」
 横で聞いたこともない男の声がした。
 ほぼ反射的に、恐怖で頬を張り倒す。
 甲高い絶叫が、屋敷の中に響き渡った。

 どうして自分がそこで目を覚ましたのか、あの男が誰なのか、何も思い出せない。
 無我夢中で走って、ドアノブに手をかける。あっさり開いたドアから、思い切り走る。
 とりあえず、逃げることが先だった。

 少女は屋敷の中を走り回る。
 照明は全て落とされ、薄暗く、どこもかしこも埃にまみれている。
「誰か!」
 緊張で口の中が渇き、声は掠れて裏返っていた。
 フロアを回り切る前に、誰も見当たらない絶望でその場にうずくまった。
 しばらく涙の流れるままでいると、背後から肩にタオルをかけられる。
 彼女は自分を追ってきた男に問う。まだ彼から攻撃されていないという行動の意味に、賭けるしかなかった。
「……一体、わたしは誰なの……」
 顔を上げれば、灰色の雲で埋め尽くされた空から雪が降り続けていた。その先には果てしない雪原が広がり、薄い青がまんべんなく塗られているかのようだ。
「説明する。だから、落ち着いてくれ。君をどうこうするつもりはない」
 差し出された手に触れると、ひやりとした。
 雪原の向こうには、何も見えない。
◆◆◆
 とりあえず、と青年に通された部屋は食堂だった。
 柱時計の秒針が音をたて、静かに時が過ぎていく。
 思えば起きてから走り回り、安心を覚えたあとの空腹は増していく一方だ。 
 ひたすら瞑想をして青年を待ち続けている。彼は料理を作ると言って、ふらりと消えていった。
 この雪はずっと降り続けているのだろうか。
 自分は一体どういった経緯でここにいるのだろうか。
 思考をあちこちへ巡らせていると、木の軋む音をたててドアが開く。
 先ほどの青年が押してきたワゴンの上には、様々な料理が乗っていた。中でも一際食欲をそそるのが、コンソメを使ったスープと、ソースの濃い焼けた鶏肉だ。
 全ての皿をテーブルの上に置いて、青年が横に座る。
「君の好きなものばかりだ。まずは食べるといい」
 確かに自分が好きなものばかりらしい。ひとりでに出てきた生唾を飲み込み、食べようとして躊躇した。
 毒が入っている可能性がある。
 この期に及んでとも思うが、もし本当に敵だったらこれは絶好の機会だろう。
 スープを飲もうとして、直前で止まる。
「……毒が入っていないか、心配か」
 はいともいいえとも答えられず、無言を貫いた。
「心配することはない、毒なんて入れていないよ」
 寂しそうに言うと、ウィリアムはスープや鶏肉を少しずつ口に含む。
 まさか、自分で毒味をするのだろうか。
「おれの名前はウィリアムという。ずっとここに住んでいる」
 彼は全ての料理を嚥下してから、フォークを静かに脇へと置いた。
「詳しい出自は控えるが……これなら心配ないだろう? 食べるといい」
「い、いただきます……ウィリアム、さん」
 湯気の立つスープを口に含むと、さっきまで感じていた不安が溶けるように消え去っていく。
 一息ついて顔を上げれば、彼は微笑んでいた。
「ウィリアムで構わない」
「あの……ウィリアム、わたしの、名前は……」
 続けたかった言葉は、お腹の鳴る音でかききえた。
「セシリオだ」
 表情も変わらずに言われると何だかどうでも良くなる。
 自分の名前もわかったことだし、セシリオは思い切りパンにかじりついた。
◆◆◆
 食事を全て終えると、ウィリアムは紅茶を持ってくる。
 柑橘系のよい香りがする、アールグレイティーだ。
「君はこれから俺とここで生涯共に過ごす。ゆっくりするといい」
 詳細を省いた端的な指示に、セシリオは目を見開く。
「ま……待って、その前にわたしには知らなきゃいけないことがたくさんあって……!」
「必要のないことだ」
 ウィリアムに淡々とそう言われ、ムッとする。
 だがそう言い放つ理由に思考の枝を伸ばしていくと、一つの可能性に辿り着いた。
「……お父様とお母様は?」
「関係ないな」
「わたしの記憶がないことは、お父様やお母様がいないことに関係してるのね?」
「君がそこを心配する必要はない」
 セシリオは再び絶望の淵に立たされていた。下を俯いてウィリアムの言葉を待つが、彼の言葉はそれで最後だ。
 そうなれば煮えたぎるような怒りが込み上げてきて、思い切り彼を睨みつける。
「そういう問題じゃないってば! そんな風に、言われたら……」
 何も知ることができないじゃない、と拳を握る。
 それでもウィリアムは黙って、少し瞳を細めただけ。
「……何がそんなに重要なんだ?」
 彼は心底理解できない様子で呟いた。
 血の気が引いていくのを感じる。
 感情というものを慮れないのか、人間らしい感情自体がないのか。
 いずれにしても、これ以上の会話は無駄だった。
 そう割り切ると今後の行動は明確で、まずは屋敷内を探索するところからだ。
 もう話すことは、何もない。
 突如立ち上がったセシリオを見上げて、ウィリアムは細く息を吐き出した。
「……どこに行こうというんだ」
「あなたには関係ないでしょ。共に過ごすとか言っておいて、わたしのことを何も考えてくれてないじゃない!」
 先ほどから理解できない事ばかりで、溜まりに溜まった不満が爆発する。
 まくし立てるように喋るが、思い切り怒ったあとの一方的な気まずさで、息が詰まる。
 混乱して引っ叩いたにも関わらず、服と食事を与えてくれたのは、紛れもないウィリアムだ。
「くっ……」
 言いたくない。本当に言いたくないけれど、世話をしてもらったのは事実だ。
 彼の方へ視線を向けると、やはり表情に変化はない。
 正直に、頭を下げた。
「……ごめんなさい。言い過ぎた。世話になっているのに、礼を欠いた」
 今まで恐怖と不安で見られたかった彼の瞳をまっすぐに捉える。海と空の青を溶かし混ぜたような深みのある色に、心が落ち着いていった。
 ウィリアムもセシリオから目を離さず、まるでその場に縫い付けられたかのように動けない。
 すると彼からふんわりとした笑顔を向けられて、瞬く間に頬が熱くなっていった。ウィリアムは、その手をセシリオの頬へ添えたのだ。
「……いいや。気にしなくて構わない。君の立場になれば、おれだって警戒し、攻撃するだろう」
 不思議とその微笑みを見てからは抵抗する気も失せ、ただ恥ずかしさに視線を逸らす。
「まずは休息が必要だ。好きなものを好きなだけ食べ、眠り、過ごせばいい」
 彼の手は冷たく、火照ったセシリオの頬をひんやりと落ち着かせていく。
 窓から眺める空は相変わらず薄暗く濃い灰色で、音のない世界がどこまでも続いていた――。
◆◆◆
 次第にウィリアムが口にしていた「知る必要がない」という言葉の意味を理解する。
屋敷内の様々な部屋を探し回っても書物は全くといっていいほど残されていない。時代のわかるような物品は存在せず、日がな外を眺めていても通る人すらいない。
手掛かりを得られず、辟易していた。
 身近にはウィリアムしかおらず、その彼もこの世界がどうなっているのかを頑なに話そうとはしない。
 たった一つの可能性にはすぐ辿り着いた。
 だけれど屋敷の中しか知らないセシリオはそれを認めたくない。
「……やっぱり外に出てみるしかないか」
 思い立ったら動いてみないと気が済まない程度には回復していた。
 ウィリアムは自室にいるはずだ。
ホールを通ってその部屋へと急ぐ。
 焦げ茶色のドアを、未だに自分から開けられずにいた。
 生涯共に過ごすという言葉は婚姻のことだと聞いたのは、出会った次の日だ。
 動揺してぎこちない態度になるセシリオに対して、彼が何らかの様子を見せることはなかった。時間があるのだから焦らなくても良いと言われたものの、その言葉を受け入れようとするには多くの時間が必要だ。
 階段を上りドアに近づくと、おかしな音が聞こえてくる。しばらく聞いていると歌だとわかり、まるで音程の取れていない歌なのにどこか懐かしさを覚える。
 そっとドアを開けて隙間から覗けば、窓際にある大きな椅子に揺られながら、ウィリアムが歌っていた。目を閉じ、まどろむような声で優しく、慈しむように。
 聞き入るように前のめりになると、ギイと大げさな音を立てて扉は開いた。
 歌声がぴたりと止み、目の前にいるのはいつも通りの無表情ウィリアムだ。
「……どうした。何か必要なものがあるのか?」
「その、歌が……聞こえたから」
「ああ……下手だろう。練習はしているんだが……」
 ウィリアムは再度瞳を閉じて、何かを思い浮かべているように天井の方へ顔を向けた。
 纏う空気があまりにも寂しそうで、とっさに彼の手首をつかむ。
「……何か」
「わっ……わたしが、教えてあげてもいいよ」
「君が? メトロノームもないのにどうやって?」
 ウィリアムの手は相変わらず冷たかった。
 ならせめて、自分が暖めなければ。
 セシリオはウィリアムの手首をそのまま自らの心臓がある左胸へ持っていき、彼に触れさせる。
 恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
 自分でもどうしていきなりこんなことをしたのか意味がわからないけれど、そうしていいと、思ったのだ。
「し、心臓の音に、合わせて……」
「ずいぶん早いな」
「そっ……そんなこと言うなら、教えてあげなっ」
 言い終わるよりも早く、抱き寄せられた。
 思ったよりも身体が堅く、ごつごつとしているなと、他人事のように考えている。
 長い間彼を信頼することができずに一人で手掛かりを探し続けていた。しかし今まで抱えてきた寂しさに耐え切れず、背中に手を回す。
「悪かった。では今日から毎日、頼めるか?」
 毎日ということは、この先も共に在るということ。
「……うん」
「ありがとう。よろしく頼む、セシリオ」
 甘やかな低い声が、セシリオの胸を満たしていく。
◆◆◆
 その日の雲も重苦しい灰色だった。
 ウィリアムの歌は一向にうまくなりはしないが、穏やかに時は過ぎていく。記憶は戻らないままだったが屋敷の中には詳しくなり、一人で歩けるようになった。
「ウィリアム、今日こそあなたの部屋を掃除してもいい?」
「あ……あ、頼む。おれは地下へ行ってくる」
 自由に出歩けるとはいえ、ウィリアムが入ることを許してくれないのは自室と地下だけだった。何回目かわからないやりとりのあと、ようやく彼が承諾してくれる。
 もう一方の地下に何があるのかは知らない。だけど生きて帰ってきてくれるのなら問題はなかった。
「気を付けて」
「君も」
 軽く唇を重ね合わせて、ウィリアムはセシリオに背を向けた。
 鈍重な死の気配がする暗い雲と、淡いスノウブルーの雪原が窓の外へと広がっている。
 もう諦めていた。どうでもいいような気がしていた。
 だからこそ、机の上に置いてあった一冊の日記を発見したときセシリオの築いてきた世界は崩壊する。
 何ということはない、雑巾で机を拭くために邪魔な本を避けようとしただけだった。
「わっ……とと」
 向こう見ずに隅へ追いやったその書物が思ったよりも端へ行き、痛そうな音を立てて床へと落ちる。
 セシリオは人の本を覗くほど愚かではない。しかし吸い寄せられるように文章を読み始めたのは、自分の名前が書いてあったからだった。
「何……これ……。ロボット……反逆……託す……ウィリアム……?」
 心臓が早鐘を打つ。これ以上読んではいけないと思っているのに、真実を求める心は文章を読み進めていく。
 事細かに綴られた日記は、セシリオの父親が書いたものだった。人間のために、積極的にロボットに関し研究・製造を進めていた父の日記だ。
 時代は段々良くなっていく。人間よりも優秀なロボットが増え始めると、人々はロボットの反乱を恐れ始めた。人間はロボットを壊す。壊す。壊していく。
 ロボットたちは、判断した。
『この世界に人間は必要ない』
 息ができない。手は震え、視界は滲んで、吐いてしまいそうだ。だけど目をそらすなと、必死に文章を追う。
 世界は秒針を早めていった。
戦争用に作られたロボットが銃で人間を殺し、医療用に作られたロボットが薬品で人間を殺す。
 脳裏に浮かぶ映像の人間は、みな血まみれだった。頭が割れるように痛み、耳の奥から断末魔が聞こえてくる。
 セシリオの両親が残した最後の一手は、最愛の娘を冷凍睡眠させ誰にも見つからない場所に隠しておくことだ。
 薬を投与し、眠る前のことを思い出さないように。知らないように。幸せに生きていけるように。
 冷凍睡眠をしている最中のメンテナンスには、どうしてもロボットが必要だった。心臓を持たない、壊れない限り、死なないロボットが。
「……セシリオ?」
 酷く心が軋んだ。
 セシリオは戻ってきたウィリアムを見上げる。
 彼には血が通っていない。
 ウィリアムはセシリオの表情を認識し、すぐに歩いてくる。
 そして日記に目を落とし――それでも、感情の変化はわからなかった。
「……セシリオ……」
 伸ばされた彼の手を、思い切り払いのけた。
 近くに誰もいないのが寂しいんじゃない。両親に対する怒りでもない。
 ただ目の前の人が自分に抱く感情が、プログラムによるものだという絶望だ。
 彼にも彼自身のメンテナンスが必要だ。それがあるのはきっと……地下室なのだろう。
「ウソ、つき……ウソつきっ!」
 ――目が覚めた暁には、ウィリアムと共に子を成して、最期まで幸せに過ごしてほしい、愛する娘へ――という一文でしめられていた。
 西暦の記録は三百年前。
「セシリオ!」
 色々な感情がぐるぐると自分の中を渦巻いて、どうしたらいいかなんてわからなかった。
 大きなエントランスホールを走り、ドアを初めて開け放つ。鋭いナイフで切り裂かれるような風が全身を通り抜けていった。
 だけど止まる理由がない。死ねるのなら、死んでしまいたかった。
 ただただ、平坦な雪原が広がっている。無音の静謐な世界に、救いを求める。
雪原に足を踏み入れ、必死に歩いた。
 涙が流した端から冷たくなっていく。
 とうとう膝をついて座り込み、しゃくり上げながら大泣きした。こんな様子では、どこにも行けそうにない。居場所なんて、最初からあの家しかない。
 どんなに考えたって世界に人はおらず、そばにいるのはウィリアムだけなのだ。
「セシリオ!」
 ふわりと後ろから抱きしめられた。
 どうしてあんなに酷いことを言ったのに追ってくるのか。ああ、そうプログラムされているからか。
「セシリオ、すまない。すまなかった……君の父親からは目覚めたときに説明するように言われていたのに……おれが、言いたくなかった」
「え……?」
 自分を抱きしめる力はどんどんと強くなり、痛みすら感じるほどだ。
「……ちゃんと話す。だから……いなくならないでくれ」
 決して涙は流れないはずなのに、彼の声は確かに泣いていた。そこでようやく、セシリオは気付く。
 ウィリアムにもまた、自分しかいないのだ。
 空を見上げれば、地獄に吸い込まれそうな暗さがどこまでも続いている。
「うん……うん……」
 彼のそばにしか、居場所はない。
 それだけが、真実だった。
◆◆◆
「……おれが起動されたのは、君が眠った直後だった。目覚めた際には事情を説明し、共に暮らし、最期まで付き添うことが命令としてこの身に刻まれていた」
 ウィリアムがココアを作ってくれて、隣に座った。
 喉を通る甘みに安心しながら、彼が話す言葉を聞く。
「君が起きたときに話ができるように、ひたすら事態を追った。人がいなくなったあとに、今度はロボットの中でも争いが起き始めた。その中、おれはひたすら君の両親から送られてくる情報を記憶した。連絡は、ある日ぷつりと途絶えた」
 それは自分の両親がロボットに殺されたということだ。
「預かった映像や記録を、延々と見たよ。そうしておれは、君に対する愛しさを知った。プログラムされた感情以外の感情が芽生えることは、本来有り得ないことなんだと思う」
 だけど、とウィリアムは続けた。
「セシリオ、君のために、おれは生まれた」
 とうとう耐え切れずに、抱きついた。
 彼は彼なりに、自分を守ろうとしてくれていたのだ。
「ごめん、ごめんね、ウィリアム……!」
「おれの方こそすまなかった……」
 大きな手が背中に回され、ふわりと抱きしめられる。
 冷たいのに温かい、不思議な身体だ。
 最初は無愛想で淡々とした男だと思っていた。
 でも月日を重ねるごとに、言外に含まれた思いやりと優しさに引き寄せられている。
 ウィリアムがロボットだと、誰が信じるのだろう。
 歌が下手な、わたしの恋人。
「……何度でも言う。おれは、君と生きていきたい……ロボットが生きるなど、変な言葉だな」
 自嘲気味に笑うウィリアムの目を、真っ直ぐに見つめた。どこまでも曇りのない、青い瞳。
 額を合わせて、頬を包み込む。
「いいえ……いいえ……!」
 悲しく、優しげに微笑むウィリアムを、この世で一番愛おしく思った。
◆◆◆
 その日も雪は降っていた。重苦しい雲は相変わらずだが、隙間から日光が差し込んでいる。
 しわだらけになったセシリオの手を握りながら、ウィリアムは窓の外を眺めていた。
「……結局、何十年経っても雪はやまなさそうね」
「ああ……そうだな。寒くないか?」
「大丈夫。あなたが握っていてくれるから」
 ベッドの上で目を閉じ、心地良さそうに呟く老婆がそこにいた。傍らでは温かいココアが湯気を立てている。
 子は成さなかった。世界に独りだけにはしたくないと二人で話し合って、そう決めた。
 ゆるやかに死へ向かっていくことに、恐怖はなかった。
 そして今日が迎えの日だと、セシリオは知っている。
 穏やかな眠気に包まれるようにうとうとしてくる。
「……セシリオ。頼む」
「……ええ……」
 それは最初に約束した、最期のことだ。
 ウィリアムは上着を脱ぎ、背中を開く。心臓の部分には確かに大きな歯車が存在し、静かに回り続けている。
 ゆっくりと手を伸ばし、最期の力を振り絞った。
 ぎ、と音を立てて、歯車は抜け落ちた。それと同時にウィリアムのが動かなくなる。
「あり……がとう……」
 もう身体に力は入らない。ただただ、ウィリアムの一部を握りしめて、まだ暖かいウィリアムを想う。

 部屋に静寂が訪れる。

 終わった世界で、しんしんと雪が降り続ける。
 スノウブルーの雪原には、もう誰も足跡をつけない。
〈了〉

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